未来を造る!金属を自由に形作る3Dプリンティングの最新技術

未来を造る!金属を自由に形作る3Dプリンティングの最新技術

金属を3Dプリンターで自由に形作る新しい技術が生まれました。KUKA社とHS Automationという会社が協力して開発したこの技術は、複雑な金属部品を経済的に作れる画期的なものです。

皆さんは3Dプリンターをご存じですか?プラスチックなどの材料を層ごとに積み重ねて立体物を作る機械です。今回のシステムは、金属のワイヤーをレーザーで溶かしながら積み上げていきます。

どんなことができるの?

このシステムの最大の特徴は、「サポート構造なし」で金属部品を作れることです。サポート構造とは、通常の3Dプリンティングで浮いた部分を支えるために必要な骨組みのことです。この技術では、ロボットアームと回転テーブルを組み合わせることで、どんな角度からも材料を積み上げられるので、サポート構造が不要になりました。

作れるものは工具や機械部品だけでなく、自由な形の造形物も可能です。ステンレス鋼、チタン、インコネル(特殊な耐熱合金)など様々な金属が使えます。将来的には銅も使えるようになる予定です。

最新のレーザー肉盛溶接技術によるプリント

レーザー肉盛溶接は、高出力レーザーを熱源として使用し、金属を層ごとに積み上げていく技術です。材料は主に2種類あります:

  1. 粉末方式: 金属の粉を不活性ガスと一緒に吹き付け、レーザーで溶かして固めます
  2. ワイヤー方式: 金属のワイヤーをレーザーで溶かしながら積み上げます

KUKA社とHS Automationが開発したシステムでは、ロボットアームと回転テーブルを組み合わせることで、どんな角度からも材料を積み上げられるようになりました。これにより、サポート構造(通常の3Dプリンティングで必要な支え)なしで複雑な形状が作れます。

何がすごいの?

従来の金属加工と比べると、このシステムには大きなメリットがあります:

  • 材料の無駄が少ない(最大98%削減可能)
  • 製造コストが約90%削減
  • 生産速度が従来の4倍
  • 複雑な形や中が空洞になった構造も作れる
  • 大きなサイズの部品も製造可能

どんな分野で役立つ?

この技術は特に以下の分野で活躍が期待されています:

  • スペアパーツの製造(入手困難な部品を自社で作れる)
  • 医療技術(チタン製の人工関節など)
  • 電気自動車の部品製造
  • 風力発電など流体を扱う機械の部品製造
  • 複雑な形状が必要な工具の製造

参考情報:


KUKA 3D金属プリンティング
https://www.kuka.com/3d-printing-meta

KUKA レーザー肉盛溶接技術
https://www.kuka.com/laser-metal-depo...

HS Automation社
https://hs-automation.de/en/